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え?まだ一月だよね?wwww

だからまだ芋兄弟お誕生日祝いしても平気だよね?wwwwwww
こんにちは……パブ主です……最近カルーアミルク手放せなくなってきたんですがこれ、一日一杯くらいならアルコール中毒でもなんでもないよね?ね?そうだと言って!(´◞౪◟`;)

そうそう、25日の私の誕生日には、いろんな方にお祝いして頂いて……もう本当に嬉しかったです!
誕生日になんで泣かなきゃいけないんだまったく!www
お祝いメールもたくさんの方から頂いて、もうもう、頂くたび「うひゃっほううううううう!!」と奇声を発し…皆さんクオリティ高すぎです、何これどうしたのってのがたくさんありましたwwww
改めてお礼をしたいんですが…どうすればいいかな、今度何か音源でもあげますかwww
メールは、皆さんに一通一通お返事するのは多分難しいと思うのですが、何かしらお礼とともにメールをお送りしたいと思ってます…予定は未定だけどね…orz 何この卒研ラッシュ…
なので、余り期待せず、お待ちください。メールが駄目でも、祝ってくれた人へのお礼ってことでブログでなんかしますよ!やっぱり期待せず待っていってね!
改めまして、皆さん、ありがとうございまああああああす!!愛してます!!(´◞౪◟`*)


で、今回、以前に話していました「プ―お誕生日記念」を投下しにきました。
だってまだ一月だもんね!!ぎりぎりセーフだよね!!!二月初頭なんて一月と何ら変わりありません、ええそうですとも!!それでも遅刻という突っ込みは全力で跳ね返す所存。
で、投下しにきたの、です、が


テキスト20k越えてもまだ半分(?)って……どういう、事なの……


という訳で小出しにいって自分を追い詰める作戦をとることにしました。以前から遅筆ではありましたが、最近のスランプも相まってとんでもなく書けない書けないwwwwというか書いても終わんねえwwwwwははは何これwwww笑っ……えねえwwww
やっぱり期間置くと書けなくなりますね……○⌒Y⌒Y⌒===-.,‘,・Σ| ̄|_ おかしいな、創作活動という点では一応こっちが本業なんだけどな……にしても文系の方がいる中でこれを晒すのは、かなりの羞恥プレイですよねwwww今になって気付いた。でも出す。だってこれしか能ないから……!

親分・祖国の誕生日前には続きを仕上げたいです(´・ω・`)

では、芋兄弟の生誕記念日おめでとう作品(前編)、注意書きをお読みのうえどーぞー。





※中世近代問わず歴史は正直よく分かりません先生。そこそこに調べた知識と覚えてる範囲の事をミックスして書いているので、この解釈は違うぜ!!というところもあるかもしれません。そこはフィーリングで。
※実在する92その他もろもろとは、全く関係ありません。あくまで二次元で創作です。
※プ―とドイツは正当に兄弟と言う事でお願いします。
※一応一般向けで書いたつもり。
※人名のがしっくりきたので人名使用。でもあまり使われなかった罠。
※要するに、まあ……なんだ……許して下さい…… ○⌒Y⌒Y⌒===-.,‘,・Σ| ̄|_





ある1月18日に寄せて ―前編―







 体現となるべき国家が消えて、俺の兄からはかつての勤勉さが嘘のように消えた。遠慮なく言ってしまえば、兄はプータローになった。


 俺のような「国」という存在は、その身に、つまりは国土に内包する国民の気質が姿形、及び精神構造へ如実に反映されるものらしい。例えばフェリシアーノ。陽気で気弱で女と昼寝が好き、イタリアには幾度も足を運んだことがあるし、そこに生きる民の姿も知っているが、奴の性格その他もろもろは、自国民の気質に直結していると言っても、過言ではないだろう。他の国家にして同様だ。
 つまり、俺達「国」は、そこに生きる国民によって如何様にも姿を変えるのだ。幾万の民を擁するが故、その国民の基準値が自身にフィードバックする、ということだろうと俺は考えている。ただの仮定だが、ほぼどこの国もこの例に漏れないのだから、おおよそは当たっているのだろう。……おおよそは。


 確定事項として自信を持つことが出来ないのは、例外が――例外として扱っていいのかも分からないが――ごくごく身近な場所にいるからだ。身近も身近、それは、俺の兄だ。
 体現となるべき国家が消えたものの、長かった東西分裂が皮肉にも功を奏したか、彼はうまいこと、東ドイツの体現にシフトしたらしかった。それは良い、兄がかつての亡国のように母体ごと消滅しなかった事は、家族として、素直に喜ぶべきことだ。だがしかし、だがしかしだ。
 俺と同じく、勤勉なドイツ国民を内包する「国」であるはずだが、……こう言っては何だが、兄にはどうにも怠惰な節がある。有り体に言ってしまえば、つまりはプー太郎なのである。俺の国としての成立に最も尽力してくれた恩師であり、尊敬すべき兄である事には変わりない、変わりないのだが……プー太郎なのである。
 まず、平日でさえ家にいて、仕事もせず割と好き勝手に過ごしている。さらに家事をしない。きつく頼み込めば、渋々と重い腰をあげはするものの、料理をすれば後片付けない、洗濯をすれば皺を伸ばさない、掃除をすれば四角いところを丸く掃くと、散々な結果を叩きだしてくる。もう少しまともにやってくれと苦言を呈すれば「能ある鷹は爪を隠すもんだぜー!」と妙な持論を振りかざして高笑いである。お手上げだ。お手上げもお手上げだ。同じ民を擁するはずなのに、なんだ俺とのこの違いは。

 ……しかし、そんな兄でも、一年に一日のとある日だけ、とんでもない変貌を遂げる。





 朝。いつもより随分とすっきりした寝覚めだった。
 先日開催された世界会議(相も変わらず踊っていたが)で鬱々と蓄積された疲れはすっかり抜け、清々しい心地で体を起こせば、レースのカーテンの向こうからさんさんと陽光が降り注いでいた。
 良い朝だ。穏やかな実に良い朝である。こきこきと凝り固まった首を鳴らし、ぐっと体を伸ばす。うむ、体の調子はとても良いぞ、眠気は微塵も残っていなければ、だるいところもない。……うん、おや?
 しかし、ふと小さな違和を覚え、俺は少しだけ首を捻った。朝、にしては、窓向こうに見える太陽の位置が、高すぎる気がしたのだ。耳を澄ますと微かに聞こえる街の喧騒も、静けさを孕んだ朝独特のものではなく、騒がしく賑やかな、昼下がりのそれのように思えた。
 そういえば、昨晩セットしたはずのアラームはどうしたのだろう。今日はごくごく自然に目が覚めた。寝惚けているのでなければ、今朝、アラームが鳴った気配はなかったように思う、のだ、が……。
 そこまで考えて、頭からすっと血が引いた。まさか。慌てて枕元に据えてある目覚まし時計に手を伸ばそうとして、しかし俺の右手は不自然な位置でぴしり、固まった。
 兄のペットである小鳥が一声、ぴい、と挨拶のように鳴いた。目覚まし時計のスイッチの上に鎮座しながら。その小鳥の下、小さなデジタル画面に表示されている時刻は―――ずらっと0が並んでいた、つまりこれは。
 俺は叫んだ。シュヴァルツヴァルトの悪魔もかくやとばかりに、絶叫した。



「兄さん!何故起こしてくれなかったんだ!!」

 身支度もそこそこに階下に駆け降り、番も壊しかねない勢いでリビングの扉をバンと押し開ける。片手に包んだ小鳥が、大きな音に驚いたのかびくりと震えるが、そんなことに構っていられるものか。目覚まし時計を占拠していたのはこの小鳥だが、こんな小動物が一匹で俺の部屋に侵入できるはずがない、扉はちゃんと締めていたはずなのだから。ならばこれは兄の仕業と見て、まず間違いないはずだ。何故だ。今日は滞っていた仕事があるから早く起きると、昨日ちゃんと話したではないか! いたずらにしても質が悪すぎやしないか!!

「今日は昼前に部下が来る手筈に―――」

 だが、たたき付けようとした文句は、尻すぼみになって途切れた。
 兄は、おざなりながらも前髪を後ろに撫でつけ、似合わぬ眼鏡なんぞかけて、ソファに深く腰掛けていた。そして、万年篳の柄の先を顎に押し付け、何やら難しい顔で、書類の束と向き合っているのだ。一目で分かった、それは、俺が昨日持ち込んだ書類だ。
 ……この状況を冷静に判断しよう。兄がなぜか俺の仕事をこなしている。兄が暫くぶりに、仕事をしているのだ、しかも自発的に。
 俺は言葉を失った。
 なんだこれは。天変地異でも起こるのか、フライパンの雨でも降るのか!? 小鳥を掌に載せたまま茫然と立ち尽くしていると、こちらに気付いたらしい彼が、んお、とやや間抜けな声をあげて顔を上げた。眼鏡の奥で、眦を少し緩め、にっと笑う。

「おう、起きたかヴェスト、おはよーさん」
「……あ、ああ、おはよう」
「ゆっくり眠れたか? ……って、あったりめーか。こんだけ遅いとはさすがに思わなかったぜ」
「……あの、だな、兄さん、」
「朝飯……っつか昼飯か。スープとサラダつくっといてやったから、適当に食え。じっくりコトコト煮込んだジャガイモのポタージュだ、うまいぜぇ?」
「あ、ありがとう……いや違う、朝食も勿論大事だが、そうではなくて」

 詰め寄ろうとした矢先に、びっと目の前に茶色の紙封筒を突き出され、少しだけたたらを踏む。兄はそんな俺に、ケセケセ自慢げに笑い、こう言った。

「お前の部下から書類は預かった、ついでに進捗も聞いといた、さらに言うなら、残ってた仕事も大半見てやったぜ。研究開発部門の進捗が芳しくねぇんで、経費ケチんなばんばん人員投入しとけ、って檄とばしといた。あとこっち、あらかたの資料な。ほとんどは俺の裁量でも大丈夫だろうけど、ちびっとお前の判断がいるもんもあった。だが急ぎでもねぇから、明日にでもじっくり見とけ」

 ――――その時の俺の心情を、一体どう表現すればいいだろう。とにかく、目眩がした。兄がフランシスやアントーニョを連れ込んで、酒盛と称し食い散らかし飲み散らかし、挙げ句の果てに飲み潰れて全員で寝こけたその惨状を見付けてしまった時と、原因は真逆だが、目眩がした。これはどういう事だ、本当に何か天災の起こる予兆ではあるまいな。気象庁にこの事態を報告し、早急に警戒するよう進言すべきだろうか、とそんな事を本気で考えた。こんなしっかりした兄貴を見るのはいつ以来だ! いつ以来、…いつ以来?

「……兄さん」

 突き出された封筒を受取りながらもう一度声をかける。兄は再び書類に視線を戻して、んー? と気のない返事を寄こした。くっと眼鏡のリムを中指で押し上げる姿が、らしくは無いのだが妙に様になっていて、どうにも複雑な思いにかられる。普段はプーのはずなのに。むぅ……いや、そうじゃなくてだな。

「……兄さん、今日は何日だ?」

 聞いた直後、小難しげに眉間に皺なんぞ寄せていた兄が、眉を跳ね上げて、ぱちくり、俺を見上げた。目が、言外に「お前何言ってんだ?」と語っているように見えるのは気のせいか。いや気のせいではなかった。

「ヴェストお前、何言ってんだ?」
「…………いいから質問に答えてくれ。今日は何日だ?」

 くそ、哀れむような目で見てくるな。そんな視線を向けられるのなんぞ、全くもって心外だ! ぐぐ、と小さく唸りながら悔しまぎれに睨めば、兄は訝しげだった眉間の皺を緩めて、苦く笑った。

「1月18日だ。おっまえなぁ、自分の誕生日も忘れたか?」

 ……ああ、なるほど。やっぱり、そういうことか。
 一切の合点がいって、少しだけ、肩の力が抜けた。


 1月18日。ドイツ帝国が成立した日。つまりは、俺が正式に国として、この世界に立った日。「ドイツ」の名を、誰あろうこの兄から戴いた、日。
 ……いや違う、この日が持つ意味は、それだけにとどまらない、はずなのだ。俺が国の前身として産まれるより更に前、数百年前の、今日と同じ1月18日に、兄は――

「つかヴェスト、お前いつまでそこにつったってるつもりだ?」

 怪訝そうな声にふと、我に返る。片手の指に挟んだ書類をひらひらさせながら、兄がじとっとこちらを見上げていた。しまった、少しだけ内なる世界に傾倒しすぎたようだ。しかし、思案に暮れていた頭は、向けられた言葉にすぐには対応しきれず(寝起きなのだ、その辺りは察してほしい)、あ、だの、う、だの言葉にならない言葉をもごもご溢すばかりとなってしまう。
 それを見て兄は、お前なぁ……とやや呆れたように漏らしながら、ソファから立ち上がった。直後。
 昔と変わらずに大きな手が伸びてきて、寝癖でところどころ跳ねる髪を、ぐしゃぐしゃ、犬でも撫でるみたいに、もみくちゃに撫で回した。見れば彼は、ケセケセ楽しそうに……何がそんなに楽しいのか……笑っている。

「ったく、しょーがねぇ弟だぜ!お兄様が飯とコーヒーを持ってきてやるから、お前は顔洗って、髪もばっちりきめてこい。せっかく俺様に似ておっとこまえなんだからな!」

 現在進行形で髪型を乱しているのは貴方だが、とは言わずにおいた。



 命じられるままに洗面所へ向かい、諸々の身支度を終えて再びリビングへ戻ってみれば、ブランチのつもりなのかいつもより多目の食事が、ソファ前のローテーブルに並べられていた。暖め直したらしいジャガイモのポタージュと、淹れ立てのコーヒーからは湯気があがり、それぞれから良い香りが漂っている。軽く焙った黒パンにはジャムと蜂蜜が付け合わせられ、サラダにはベーコンとプチトマトも添えられて彩りも鮮やかだ。改めて作ったらしい、ジャガイモたっぷりのドイツ風オムレツは、焦がしたバターが香ばしく鼻を擽り……要するに、実に美味しそうだった。
 嗅覚の刺激は、起きぬけの身体の空腹を強烈に意識させ、俺は空いた胃の辺りを撫でながら、ソファに腰掛けた。そこへ丁度良いタイミングで兄が台所から帰ってくる。手にした皿には茹でたジャガイモがゴロッと二つ、それにボイルした大振りのブルストが一本、マスタードとケチャップを添えて、載せられていた。

「おう、しゃっきりしたか?」
「ああ、まあ……少し多すぎやしないか?」

 成人男性の食事とはいえ、これはいくらなんでも作りすぎな気がするぞ兄さん。美味しそうではあるのだが、ずらっと並べられた皿の数々に圧倒され、やや戸惑う。ブルストがあるのは、良い事だが、うむ……。
 兄は手にしていた皿をローテーブルに置き、ふんっと鼻を鳴らした。

「朝食兼昼食だぜ? これぐらいあっても問題ねぇだろ、むしろ少なすぎるくらいだ」
「しかし……食べきれるか……」
「全部残さず食えよ! 体は資本、資本作りはまず美味い食事からってな。味は保証してやっから、とにかく食え!」

 エプロンをはずし、向かいのソファの背もたれに放る。次いでそのソファにどっかり座り込んだ兄は、随分自信満々に言ってのけた。ふむ、確かに美味そうではあるが……。

「……頂く」
「おう!食え食え!たんと食え!」
 フォークを持ち、とりあえずジャガイモを潰しにかかる事にする。……く、によによするなそんなに見るな! 小さい頃のように、皿から溢すなんて事は断じてしない、断じて! ああ、なんと食べにくいことこの上ないのだろう。思いながらも、ジャガイモを初めとして、並べられた料理に次々、口を付けていく。
 結論から言うと、料理は兄の言う通りとても美味しかった。誇張やはったりの類かと、多少は思ったのだがそんな事はなく、素直に美味しい、と感想を述べれば、そうか、と嬉しそうな実に良い笑顔を浮かべた。

 ――――俺が幼いころ、兄はよくこんな顔をした。皮肉も嘲笑も傲岸さも一切含まぬ、隠さぬ愛情と彼の持つ明朗さだけを湛えた笑顔だ。こんな顔で、彼はよく俺に接してくれた。大きくなって一つの国を負うことになってからはその頻度は減ったが、それを残念だと思ったことは無かった。兄の態度の変化は、俺を一人前として認めてくれた、その表れだと思っていたから、それを嬉しく思いこそすれ、残念などと思うはずが無かったのだ。……少しばかり寂しくあったのも、まあ、否定はしないが。
 

 俺が、一人前と彼に認められた、百数十年前の今日。俺は今の名を冠せられた。ドイツ帝国。今となっては連邦共和国と少しばかり名を革められたが、ドイツの名を戴いたのは、この建国の日に他ならない。国の誕生日、というのもおかしな話だが(国とはそもそもある日唐突にできるものではないだろう、長い時間をかけて育まれた民族、言語、文化などの要素が結実した結果が、国だ。一瞬で母体から生まれ出る人間とは、そもそも発生の仕方が違うのだから、誕生日、という人間の概念を当てはめようとするのは、おかしな話以外の何物でもないだろう)敢えて誕生日と呼ぶなら、それは今日に違いない。
 だがこの日付は、もう一つ重要な意味を持つ。少なくとも俺にとっては、だが。


 数百年前の今日、プロイセン王国が成立した。


 今は亡き、強大国プロイセン。国の誕生した日を建国の日とするならば、今日この日、確かに兄もまた世界の一片を担う国として、偉大なる国の体現となったのだ。
 この現代において、書物やネットの海にばかりその事実が記されるのみとなった、亡国の生まれた日。今日が兄の生まれた日と知る者は、そうそう多くは無いだろう。歴史に博識な者、兄の古い知己、俺に、当の本人。それくらいではないだろうか? その中でも、とりわけこの事実を重大なこととして認識しているのは、もしかしたら、俺ばかりなのかもしれない。あの兄のことだ、髭やアントーニョ辺りからプレゼントくらいは貰っているんだろうが、だが、しかし。

 兄は、1月18日を自分の誕生日として祝わなくなった。

 始まりは覚えている。あの長かった分断を終えて、初めて迎えた1月18日だ。……そうだな、あの戦いの前には、彼はちゃんと自分の誕生日をそれとして受け止め、祝い、喜んでいたように思う。もちろん俺の誕生日も一緒に祝ってくれた。とっておきだと出してきたブルストを肴に、いつもより随分上等なビールを酌み交わして。
 もっともっと大きくなれよ、ヴェスト、俺の王よ、俺を超えて大きくなれよ。酔い混じりのせいか、オペレッタでも歌いだしそうな程上機嫌に、兄はそう言ってわっしゃわっしゃと俺の頭を撫でた。祝福されているのは分かっていたから、整えていた髪が乱れても、その手を無碍に振り払うことも出来ず、俺は結局されるがままだった。
 誕生日おめでとう、偉大な兄貴に負けずこれからも頑張れよ。誕生日おめでとう、兄さんこそ、これからも健勝で居てくれ。互いに祝い、ジョッキをぶつけ合った事は、今や思い出と言うより他にないだろう。

 それから暫くして、歴史に残ることになる大きな戦いが始まり、結論から言うと、俺も兄も敗戦国として戦勝国に従わざるを得なくなった。辛酸は嫌と言うほど味わったが、何より耐えがたかったのは兄の母体たる国の解体、そして、あの忌まわしい壁の存在だったろう。俺の心臓たる地を囲うよう築かれたうず高い壁と、分断された土地。あの悔しさは、いつか来る未来、俺が消滅するその瞬間まで、決して忘れることはできないだろう。今でも、思い出すだけで握った拳の掌に、爪が食い込んでしまう。
 もう兄の手を煩わすこともないのだと、一人でも立って歩けるのだと思っていたのに、それはただの思い込みだった。国としての本質を失いながら、兄は俺の体が裂けぬようにと、自ら壁向こうの体現を引き受けてくれたのだ。最も重い荷を、俺が、負うことのないように、と。そんな事を貴方がする必要はないと俺は主張したが、その時は、否を唱える権利も力も持ち合わせなかった……取り上げられていた、というべきか。
 つまり俺はどこまでも兄に頼りきりで、俺はどこまでも、無力だった。あの分断は、俺の矜持をとことんまで磨り潰してくれた。本当に、忌むべき出来事だった。
 ……あの離別の頃から、いやもしくは、自らを失ったときから、兄は何か思うところがあったのだろうか。何にせよ、きっかけは多分、あの壁なのだろう。

 壁の崩壊後、多少痩せたものの、彼は五体満足で無事に戻ってきた(思わず泣いてしまった俺を、兄貴はいい年して泣くなよ馬鹿だなと大笑いしたのだ。全くもってあの人は、情緒とかその辺りのものをわかっていないと思う)。しかし数十年ぶりの再会を喜ぶ間は、それほど無かった気がする。突然の分断解消は、誰の思惑も絡まぬ予想外の出来事、言わば事故のようなものであったらしい。ベルリンは解放を喜ぶ人に溢れたが、それと同じくらい、各地で混乱が起こった。そして、俺と兄はこの事態に収集をつけるために国内外を奔走することになったから、ゆっくりとここ数十年の報告をする暇なんぞ、なかったのだ。やっと落ち着けたのは正式に分断の解消が決まった頃で、その時にはもう、兄が帰ってきたのは夢でないことくらい、十分理解出来ていた。再統一の日、式典の席で、改めて再会の挨拶をしようと話しかけたのだが、結局うまいこと言えなくて、兄はまた笑ったんだったか。

 それから暫くは、兄はのんべんだらりと日々を過ごしていた。だらだらと日がな一日、ソファに横になっている事もよくあったが、俺はそれに対して、強く責めることがどうしてもできなかった。東ドイツの体現にシフトした、とはいえ、プロイセン王国の解体と、壁の崩壊による国民の流出が、ひどいダメージになっているのは知っていた。以前よりずっと兄が弱っていることを、知っていた。本人は隠しているつもりらしかったが(あの性格だから当然だろう)、どことなく昔の覇気が無くなったようであったし、時折自分の身体を庇うようにしている事もあったから、気付かぬわけが無かったのだ。
 もしや併合が仇となったのか。国の体現は一国に一人というのが大方の通説、ならばもしや、兄は……? そう考えるだけでぞっと体中が冷えるようだった。最悪の考えが、ただただ恐ろしくてならなかった。だからその時は、兄に無理をさせてはいけないと、そればかりだったのだ。(今にして思えばこのとき甘やかしたのがいけなかったのか、いわゆるニートの味をしめてしまったのか……元気になったのは良いんだが)。

 そうしている内に迎えた、1月18日。



 その日、兄は俺より早く起き出していた。そして、やはり今日のように、朝っぱらから多すぎる朝食を用意して、俺が起きるのを待っていた。勿論俺は驚いた。その頃、大体の家事は俺の仕事で、兄は滅多に台所に立たなかったからだ。たまに料理をすると言っても、それはビールのつまみのブルストを茹でるか炒めるか、それくらいのものだった……今もそれはあまり変わらないのだが。
 一体どうしたんだ兄さん、こんな早くから、と声をかけると、兄は事もなげにこう言った。何言ってんだ、今日はお前の誕生日だろう、と。
 そうだったか、とテーブルに放られていた新聞の日付に目を落とせば、1991年1月18日、の印字。忙しさで、どうにも日付の感覚が狂っていたらしい。……いや、しかしと俺は思い返した。だからと言って、何故兄が早起きして、わざわざ滅多にしない家事なんぞこなしているのか? 今日は俺だけじゃなく、兄の誕生日でもある。百年程前の同じ日には、兄はそんな殊勝な事はしてくれなかったはずだ。むしろ、早朝寝ていた俺をたたき起こして、誕生日だからクーヘン焼けクーヘン、と随分な注文をしてくれたのではなかったか。考えるだに兄の行動が不可解に思えてきて、俺は思わず言ってしまった。別にいつも通りゆっくりしても良かったのに、今日は兄さんの誕生日でもあるんだから、と。
 ……その後に続いた兄の言葉は、今でも鮮明に覚えている。


『馬鹿かお前。プロイセン王国はもう死んだ国だぜ? 死んだ国の建国を祝ったって、意味ねぇだろうが』

 フライパンを揺する手を止めずに、兄はそう言ってケセセ、と小さく笑った。普段と変わらず、いや、いっそ普段より清々しく、笑った。俺は―――何かを言わなければ、言い返さなければと口を開こうとして―――失敗した。
 冗談混じりのような、軽さを含んだ口調で紡がれた言葉は、しかし口調と反比例するかのように重く、重く、俺の中に沈殿していった。兄はそれから何も言わない。それほどうまくない鼻歌なんぞ歌いながら、炒めたベーコンを皿に移し替えにかかる。俺はそれを、ただ黙って見詰めていた。兄が振り返らなかったのは幸いだったが、自分でも、酷い顔をしていたと、思う。

 自らを死んだ国と評し、その建国の祝福は何も建設的でないと、兄はそう言った。それがもし冗談の上での発言だったなら、俺は容赦なく憤慨しただろう、冗談でもその発言は許せない、と。
 けれど不幸な事に、その時の俺は察してしまったのだ。これは、兄自身に対する皮肉でも、俺に対する嫌味でもなく、ただ純粋な本心であることを。確信があった訳ではないが、そうでなければこんな風にくるくる働く兄に説明がつかなかった。ドイツ帝国の前身、プロイセン王国。彼は後継たる俺に全てを引き継いで、結句、自らを失った。歴史に綴られるその事実がふと、胸を過り―――
 俺は何も言い返せなかった。何も言えず、逃げるようにキッチンを後にした。

 それからというもの、兄は、1月18日の俺の誕生日を、毎年毎年全力で祝ってくれる。この日ばかりは俺に何もするなと釘を刺し、必要最低限の公務以外、家事も仕事も全て引き受け、こなしてくれる。夕食は決まって俺の好物ばかりを食卓に並べ、いつもの安物ではない高価なビールや、ホールケーキまで供して、いつの間にか買ってきていたクラッカーを盛大に鳴らすのだ。おめでとうルツ、ルートヴィヒ、俺の自慢の弟よ、と。
 ……けれど俺は、いつまで経っても、その祝福を以前のように素直に受け取るが、できなかった。
 そうして、早20年と少し。兄のあの言葉は、未だに心の端にかつんと引っ掛かって、どうにもばつが悪く、そのせいかあれこれ口を出すのはどうにも躊躇われ―――毎年毎年、嬉しくもどこかぎこちない誕生日を、迎えることと相成ったのである。
 そう、嬉しい事は勿論嬉しいのだ。家族に誕生日を祝ってもらって、心満たされぬ訳がないだろう。だが同時に、同じくらい寂しく、悔しくのだ。敬愛すべき家族の誕生を、祝う機会さえ与えられないというのは、余りに寂しく、悲しいではないか。プロイセンは消えた国と言え、体現であった兄は今こうして、ぴんぴんしている。ならばこの先もずっと健勝であるようにと、そういう願いを込めて、祝ってやりたいのに。
 要するに俺は、祝われてばかりなのが気に食わず、兄がおれにしてくれるのと同じくらいに、何かを返してやりたいのだ。俺はもう十分成人した身で、未だ子供扱いの癖が抜けきらない兄が思うほど、子供ではないのだから。安穏とした庇護の元に、王冠も民も何もかも、与えられるだけだった子供では、ないのだから。だから何でもいい、今日という日に、何かを返したい―――兄が聞いたら、そもそもその考えがガキなんだ、とでも笑いそうだが。
 いや、しかし、笑われようが何を言われようが、どうだっていい。とにかく俺は、今日を兄の誕生日として祝いたいのだ。国でありながらも血を分けた、せっかくの兄弟なのだから。家族、なのだから。

 …………とは、言うものの。


「……美味しかった、ありがとう」
「うっし、お粗末さん! ま、この俺様お手製だからな、まずい訳がねぇ!!」
 当然だ、とばかりに高笑いをあげながら、兄はふんぞり返る。かつて電子レンジで卵を爆発させた者の台詞ではないな、と心中で突っ込みを挟みつつ、食器を片づけるために席を立った。だが、手を伸ばした先で、皿がすっと取り上げられる。おや、と顔を上げれば、どこか得意げな兄の手に、それは収まっていた。

「お前は座ってろっての。……ったく、毎年の事だろうが、そろそろ学べ弟よ」
「しかし、兄さん、」

 食器の片付けくらいは自分で、と言い終わらぬうちに、びしりと人差し指が突き付けられた。俺は思わず口をつぐむ。

「お兄様命令だ。『座ってろ』、ヴェスト」
「……」
「返事は」
「…………ja」

 渋々ながら返事をすれば、兄は全く以って満足げな笑みで頷いた。くそ、根負けするとは情けない! こんな兄でも、凄まれるとどうも従わなければならないような、そんな錯覚に陥るのだ、未だに。上官と部下のようであった戦時中ならばまだしも、今は取ったの取られたのもない平和な時代だというのに……刷り込みか。これもいわゆる刷り込みと言うやつなのか。
 兄は、俺が大人しくソファに座り直したのを見とめると、早速とばかりにテーブルに並ぶ皿を一枚一枚、器用に重ねていき、最終的に山を作ったそれらを、一気に持って行ってしまった。ああ、そんな風にしては! どんがらがっしゃん、と落しやしないか少々はらはらしたものの、そんな事はまるでなく、どうやら無事に流し台までたどり着けたようだった。やがて、洗い物を始めたのか、水の音と共に調子っぱずれた歌声が聞こえてきた。
 はぁあ。深いため息が思わず漏れる。だらしがないのはの承知の上、俺はソファの背もたれに後頭部を乗せ、だらりともたれかかった。一年に一度と言うきわめて低い頻度のせいでもあるのか、この状況、二十年経った今でもまだ慣れる事ができない。てきぱきと的確に仕事をこなしていく兄。かつて全盛期の王国を負っていた頃のような、兄。歓迎すべき事であるはずなだが、しかし、しかしだな……。
 悶々と物思いに耽っていると、ふと、兄がひょこりとキッチンから顔をのぞかせた。まだ皿洗いの途中らしく、シャツの袖は捲くられたままだ。

「おいヴェスト。後で買い物行くから、財布とバイク借りんぞ」
「バイク? ……車の方が良いのではないか?」

 どうせいつもの事だ、大量に買い込んでくるんだろう、と暗にそういう意味を込めての発言だったのだが、しかし、兄はそれに対して思いっきり顰め面を作った。いやだめだ!と大仰な仕草で首を振って言うには、こうだ。

「やっぱバイクだろ、ここは譲れねぇ。風を受けて走るのが良いんだよな、馬に乗ってるみてぇでよ!」

 騎士の血がな、こう、騒ぐんだよ! と力説を始めたので、俺はやはり根負けして、渋々と引き出しにしまっていたバイクの鍵を取り出し、投げ渡した。正直、兄の運転は―――多少多めに見てもかなり荒っぽいので、車体が傷付けられないか心配だが、この様子では説き伏せるのも面倒そうである。ならば、自分が折れて素直に応じてやった方が、面倒もなくて良いだろう。
 ゆったり弧を描いて飛んでいく鍵を、兄は危うげなく掴み取った。

「ありがとよ。なぁルツ、夕飯何が食いてえ? ケーキはどうする、トルテがいいか? ザッハトルテかキルシュトルテか……」
「いや、俺は別に……好きにしてくれて、構わないが」
「なんだよ、つれねぇの。誕生日っつったら昔は、シュニッツェルがいいだの、クーヘンがいいだの、かと思えばやっぱシュヴァルツヴァルダーキルシュトルテがいいだの、あーんなに大はしゃぎで、可愛げがあったってのによ! いっちょまえにムキムキになりやがって可愛くねぇ!」

 ちぇっちぇのちぇーと唇を尖らせて拗ねられても、俺はどう対応すれば良いのか分からず少し困ってしまった。いい年なんだからそういう子供じみた拗ね方はやめてくれ、と嗜めればいいのだろうか。しかし兄のこの態度は、本日一番兄らしいと言えばらしくもあり、やはり複雑な思いによって俺は口を噤んでしまう。全く、何て調子の崩れる日だ。

「仕方ねえ、夕飯は適当に買ってきてやるから、とりあえずケーキだけリクエストしやがれ。じゃねーと、どっかの島国のケーキ屋まで行くぞ」
「シュヴァルツヴァルダーキルシュトルテを頼む」

 俺は即答した。あの産業廃棄物だけは御免だ。










ごめんここまでなんだ(´・ω・`)後編で完結させます もしかしたらどっか手直すかもwwww
というか、本気で誰か……私に近代世界史の講釈をたれてくれ……!





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